スキットル(山登りのきっかけ)

山に行くようになったのは3年前からです。それ以前にも友人に誘われて何度か登ったことはありましたが、特に興味を持ったわけではありません。確かに山から、見る風景は素晴らしいし、頂上に立った時の爽快感は何ともいえないものがありました。しかし根が怠け者なこともあって、その後はパッタリと止まってました。

といって、身体を動かすことは嫌いではないし家族でスキーに行ったりはしてましたし、高野山近辺を散策したり、熊野古道を歩いたりもしてましたが、それはスキー自体や、昔から興味を持っていた空海のことを考えることが目的で、トレッキングそのものは興味の対象ではありませんでした。

ところが3年前の初夏のとある休日にアウトドアショップをブラついていた時のこと、ふとスキットルが目に留まりました。

スキットルとはウイスキーやブランデーを入れて持ち歩く平べったい容器です。材質はステンレスが最も多いと思いますが、真鍮のものや、軽さを追求したチタン製のものがあったり様々です。値段もピンキリでステンレス製はお手頃、真鍮やチタン製は結構高くなります。ちなみに皇室御用達のものは銀製です。やはり他の3種よりも高価なものですが、高級感があり光沢の具合いもよく、惹かれるものがあります。いつか2つめに買いたいと思ってます。

私が目にしたものはステンレス製ですが、それだけでなくサイドが革張りになったものです。革張りのものは珍しくその時初めて目にしました。見ていて何となく気に入って衝動買いしてしまいました。

帰宅して早速、飲みかけのBowmore12年を入れて飲んでみました。なかなか良い感じですが室内ではどうも雰囲気が出ません。そこで近所の公園を散歩しつつ、ベンチに腰掛け味わってみました。外で飲むとやはり気持ちの良いもので、Bowmoreの強いピートの香りを楽しみつつ青空を眺めてました。しかし街中の公園では行き交う人の数も多く、陽の高いうちから酒を飲むヘンなおっさん、という視線も感じます。

 

やはりスキットルでスコッチを飲むにはもっと自然に近い場所が良いのだと気付きました。

 

「じゃ、久しぶりに山でも行ってみっか!」と思い立ち、そんな遠くまで行ってもなぁ〜、という気分もあり、どこが良いだろうと考えてると、高尾山が思い浮かびました。遠くもなく、そんな高い山でもなく、登山者は多いと聞いているので、迷って遭難するようなこともないだろう。早速週末に行くことにしました。

しかし、装備といっても昔買ったミレーのザックと、ABCマートで買ったトレッキングシューズだけ。まあ日帰りのハイキングみたいなもんで、ビーフジャーキーとチーズ、行動食にキットカット、タオルと水と、汗かいた時の着替えと、頂上で身体を冷やさないようにライトダウンとウインドブレーカーだけで出かけました。

おっと、買ったばかりのスキットルには、今度はBowmoreではなくTalisker10年を入れました。私はスコッチのシングルモルトに凝っているのです。このことは追々書かせて頂きます。ちなみに私のスキットルはフルに入れると8オンス(約220ml)です。お持ちの方は解ると思いますが結構な量です。

 

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これがそのスキットルです

さて高尾山、天気も良く絶好のコンディションで良い汗をかけそうです。頂上からは富士山も見えてなかなかの風景です。登山客が多すぎるのが気になりましたが、おでん等の軽食も食べれて良いではないですか。スコッチの前にビールだな、ということで食堂でおでんと生ビール。その後空いてるところに腰掛けてTaliskerを楽しませてもらいました。

 

爽快な汗とともに、富士山を眺めながら飲むスコッチは最高です。これはナカナカ良いではないか!ただ高尾山は人が多すぎるのが難点だ。といってあまり遠い北アルプスとかに行くほどのパワーもないし、東京、神奈川界隈で富士山を眺められる近場の低山がよろしいかな、といった事を頂上で感じたのでした。

 

「どこが適当かちょっと調べてみよう。この次はLgavulinで行こう。」てなことを考えながら下山しました。すると高尾山口駅前には「高尾山温泉・極楽湯」というのがあるではないか!

汗を流してビールで軽く!と思ったことは言うまでもありません。綺麗なお風呂でビックりしました。

 

帰りの電車に乗った時には、何とも言えない幸福感がありました。「よし、これからは週末は山でスコッチだ!あまり混んでなく、遠くもなく、富士山の展望があって、下山したら風呂に入れる山を探そう」、と思いつつ帰路についたのでした。