Bill Evansと村上龍

最近は音楽を聴くのは、ヘッドホンを通じてスマホからばかりだ。でも久しぶりにミニコンポで、少しボリューム大きめで聴いてみた。
Bill Evansの「Alone」。何故かは自分でも解らないが、Bill Evansではこのアルバムが一番のお気に入りだ。聴いていると気持ちが落ち着いて、安らかな心持ちになれる。
やはり音楽はヘッドホンで閉ざされた空間で聴くよりも、スピーカーから聴いた方が良いなと思う。今日、「Alone」をヘッドホンで聴いてもこんな落ち着いた気分は味わえなかっただろうと思う。

聴いていると、ふと併せて読書を、という気分になった。何を読もうかと考えたら、こんな時はやはり小説だろうと思った。歴史書でも経済書でも法律書でも科学書でもない、小説だ。どんな小説が良いだろう、と次に考える。サスペンスではない、推理小説でもない、恋愛小説でもない。あまり面白すぎてのめり込んでしまうようなものも違う。淡々と物語が進んで、大きなクライマックスがあるわけではない、感動に震えるようなものでもない、そんなのが良いな、と思っていたらふと浮かんだのが村上龍の「空港にて」という短編小説集だった。自分の中では数少ない何度も読み返している作品の一つである。希望をテーマとした作品だが、押し付けがましくなく、こんな日常にも希望があるんだ、それは人によって様々で、前を向いて生きるというのはこういうことじゃないか、と思わせてくれるお気に入りである。村上龍にしては珍しい作風だが、こういう作品も書けるというところが村上龍の凄いところだ。

そんな事を思いながら、Bill Evansを聴きながら村上龍を読んでいる。それとも村上龍を読みながらBill Evansを聴いているのだろうか。

今夜は少しばかりハッピーな気分だ。
Aloneの中では「Here's that rainy day」が好きです。ちなみに。

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マラソン グランド チャンピオンシップ(MGC)

MGCのレースを観た。男女ともに素晴らしいレースだった。前シーズンにMGC出場権を得た選手がオリンピック出場権を懸けての懸命に走っていた。

いきなり独走を始めてこのままトップでゴールするのかと思わせた設楽は最後は沈んでしまったが、あの勇気は讃えられて良い。最初に下りで、後半に上りがくるコースでペース配分を間違えたのだろうか。
また残り5キロあたりからの中村、服部、大迫のデッドヒートはまるで短距離を観ているようだった。個人的には大迫を応援していたが、最後までイニシアティブを取れなかったことが敗因だろう。恐らくベストの状態ではなかったのではないだろうか。にも関わらず、最後まで諦めない気力は、観ていて鳥肌がたった。一時はトップに立ちそうだったが、あそこまでが限界だったのかもしれない。
本番にコンディションをピークに持ってくることの難しさを痛感する。(そうではないかもしれなけど)

女子は、3位の小原が最後は2位の鈴木に4秒差まで迫ってゴールしたのは驚きだった。ベテランの福士加代子を応援していたが、やはり難しいのだろう。

大迫、小原の3位の二人は、これからの戦略が難しいだろう。誰かが設定タイムを超える走りをしてしまったら、その時点でオリンピックは消えてしまう。自身が設定タイムを超えるレースをするという選択もあるが、オリンピックまでに一度ピークを作ってしまうことになる。その場合、設定タイムを超えたとしても、オリンピックでもう一度ピークを作るのは相当難しいだろう。誰も設定タイムを超えられないと想定して調整するという選択も、他力本願でアスリートとしては望まない方向なのではないだろうか。

この選考システムを考えたのは瀬古さんを中心とした数名らしいが、良く考えられたシステムだと思う。誰が見ても文句のない公平な選考であり、選手から見てもMGC出場権の獲得のためにレース、そしてMGC、2位に入った選手は1年かけてオリンピックにピークを持っていける。MGCが今後続いていけば、おそらくマラソン日本の復活は遠くないだろう。

金峰山小屋に泊まって

8月16日から金峰山小屋に1泊して金峰山を楽しくトレッキングでした。

瑞牆山荘からのルートを選択しましたが、往路はずっとガスっており展望は全くなし、翌日のご来光を期待して小屋へ入りました。台風10号は通り過ぎたので大丈夫と思ってトライです。夕食前には青空が顔を出し、見事な雲海を楽しめました。いやが上にも高まる期待でしたが、すぐにガスが復活、心配です。
宿泊者は自分を含めて2名とのこと、もう1名は18時半頃の到着でした。
夕食後、日の入りを期待して頂上を目指そうかとも思いましたが、ガスが晴れる気配はなく、翌朝に期待して就寝です。
小屋から山頂までは約20分、日の出は4:55ということで4時に起床したところ星が見えるではないかっ!
これはご来光!と頂上を目指して出発しましたが、登っているそばからガスが出てきて、頂上では何も見えず。残念っ! 千丈岩も見えません。仕方なく小屋に戻って朝食です。ご主人からも「ダメでしたね」と同情の声をいただきました。
朝食後はのんびりと過ごしてそのまま下山しようかとも思いましたが、天気予報は晴れだし、せっかくだからと再度頂上へ向かいます。すると途中からガスが晴れてきて千丈岩も見えてきました。頂上ではまだガスってますが、時に晴れ間が出たりしてます。そうこうするうちに青空が突然現れ、千丈岩の勇姿がくっきりと、その先には富士山も雲のうえから見えるではないですか!すっかり晴れた頂上からは見事な展望です。瑞牆山の岩群もその先の八ヶ岳も稜線の向こうに姿を見せました。

この突然の天候変化があるから山はわからない、というか逆もあるわけで、素晴らしい天気の中を歩いていたのに突然の天候悪化で動けなくなる危険をはらんでいます。山頂で素晴らしい展望を楽しみながらも、そんな事をふと感じました。

しかし金峰山は、美しい富士山だけでなく瑞牆山八ヶ岳、そして千丈岩といったいつまで眺めても飽きることのない見事な山頂を持つ素晴らしい山であることが判りました。瑞牆山荘からのルートは高低差が約1,000mと自分にとっては結構ハードですが、途中の富士見平や大日岩、千代の吹上といった岩々、晴れていれば見事な稜線と瑞牆山の姿に圧倒されながらの十分に楽しめるルートでした。近いうちに夕日とご来光を目指してリベンジしたいと思います。その時はピストンのルートではなく大弛峠からの縦走で瑞牆山荘に降りるコースを取ってみよう。



以下、ざっと今回のルートです



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ガスった登山道も幻想的で悪くはないのですが。。。。。


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金峰山小屋は静かな佇まいの素敵な小屋です


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夕暮れ前の一瞬の晴れ間に見えた雲海は見事でした!


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金峰山小屋は夕食にワインをつけてくれます。


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微かな日の出の光です。


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千丈石が姿を現しました


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どうしてこんな岩が山頂にあるのだろう?


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久しぶりに富士山を拝めました


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やっぱり日本一の山だ

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瑞牆山も素晴らしい


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途中、ズームで撮った瑞牆山
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瑞牆山へ下る稜線も美しいです


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大日岩も迫力です


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途中で赤とんぼを発見


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富士見平小屋で「瑞牆ビール」:爽やかな口当たりで美味しい

北横岳:冬山登山の下見

ある方のアドバイスです。
「冬山に登りたいのであれば、登りたい山に夏場に一度行きなさい。初めての山に雪山の季節に登らないように。」
別の機会に、山で低温に晒される怖さを知った自分としては、このアドバイスは重く響きます。北横岳は雪山登山の入門として語れることが多く、とても人気の山ではありますが、2,000M以上の標高を持つ山ですし、決して侮ってはならないと思いどんなコースなのかルートを確認のために登ってみました。天気も悪く全く展望のないトレッキングになりましたが、冬に向けて良い下見になりました。

結論として、ロープウェイを使って山頂駅から坪庭の散策してから、北横岳ヒュッテで休憩、南北のピークを取ったとしても夏には少し物足りない感じです。今回は日帰りでしたが、やはり北横岳ヒュッテ泊で日の入り、日の出を観たいと思います。
今回はスルーしましたが、三つ岳で岩登りをトライするのも良いかも、というのが感想です。

ただ、雨とガスに煙る坪庭と、展望はないものの煙った風景は幻想的で、雨の日の八ヶ岳はやはり良いと、この度も強く思いました。


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山頂駅から坪庭を経て、これから向かいます

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坪庭です。

冬になるとこの坪庭が一面雪に覆われるのだと思うと、冬が待ち遠しいです!

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今回は雨とガスで展望が望めないので、花の写真をたくさん撮りました。

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これは「ゴゼンタチバナ」という花だそうです

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北横ヒュッテからすぐの七つ池は、静かな佇まいを見せる素晴らしい池です

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こういう風景も八ヶ岳の魅力です
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縞枯山荘の方にも足をのばしてみました
素敵な山小屋なのですが、オーダーをしないとテーブルを利用できず、ガスコンロの使用もできませんでした。それなりにスペースを持った山小屋なのだから、もう少し考えてもらいたいと思います。ロープを張って、宿泊客以外は寄せ付けない、という姿勢は如何なものかと思います。はっきり言って縞枯山荘には泊まりたいと思いません。
他の山小屋でもそうですが、過去に色々あったのだろうとは思いますが、あまりにも閉鎖的な運営は如何なものかと、いうのが正直な意見です。
山小屋の運営に関しては、初心者山登り爺いとして、ビジネスパーソンとして、思うところがあるので別の機会に持論を述べてみたいと思ってます。

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無事に坪庭入口まで戻ってきました

どんな天候でも、どんな季節でも、八ヶ岳はその魅力を示してくれる素晴らしい山であることを、改めて認識したこの度でした。

北八ヶ岳再び(天狗岳)

先週の白駒池散策に続いて、渋の湯から入って黒百合ヒュッテ泊まりで天狗岳から西尾根を降りるルートを歩いてみた。初日の天気は生憎の雨で、登山道は水が溢れて半分川のような状態で、かつ強風。翌日もこの天気が続くようなら、西尾根はヤメて稲子湯へ降りて温泉に浸かって帰ろうと計画を2段階にした。

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雨に煙る黒百合ヒュッテ(宿泊客は5名だけでゆったり宿泊)

 

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黒百合平の夜明け(ガスが濃く御来光は拝めず)

お陰さまで雨は止んだので、取り敢えず東天狗まで行って風の状況を見て決めることにする。雨は止んだものの曇り空で、ガスが厚くなったり晴れ間が覗いたりと不安定な天気だったが、風は大したことはないので当初の計画通り西天狗、西尾根のルートを取った。

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東天狗(ガスって何も見えません)

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東天狗から観る西天狗

標高が下がるにつれて天気は穏やかになっていき、第一展望台では南八ヶ岳南アルプスがはっきりと見えた。

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東天狗頂上から唐沢鉱泉へ電話して15時発の茅野駅の送迎に便乗させてもらうことにして、のんびりと尾根道を楽しんだ。

予想外に早く下山できたので、唐沢鉱泉ではゆっくりと温泉につかれた。

登山客も少なく静かな登山ができたし、初日の天気を除いては良いトレッキングができました。

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唐沢鉱泉はすっかり青空

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良いお風呂です

 

梅雨入り直後のしら駒池

北八ヶ岳の白駒池を散策してきた。麦草峠から池へ、そして高見石へ、その後池の周辺を散策するルートである。

北八ヶ岳山麓のこの周辺は国内でも有数の苔の生息地であり、約500種類の苔が見られるという。微妙に異なる苔の緑とシラビソの森は、雨の中を歩くとその幻想的な風景に心を奪われてしまう。このルートはお気に入りのコースで、昨年夏には初めての山小屋泊を白駒荘で経験し、山で観る日の出の美しさを教えてもらったものだ。

晴れた日のトレッキングも良いのだが、今回は敢えて梅雨入り直後の雨の日を選んでみた。濃霧の中、時折小雨が降る中での散策も素晴らしいものだった。時々霧が晴れて、そこで観える白駒池はやはり素晴らしい。

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夜明け直後の苔の森

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霧に隠れる白駒池

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トリガラスが

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白駒池周辺で最も苔の美しい場所

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1年ぶりの白駒荘:新館がオープンして綺麗に

白駒荘は去年の夏に山小屋泊初体験の山小屋で、その時の対応に感動して山小屋泊にハマってしまった。ベスト山小屋の一つだ。ご主人は顔を覚えていてくれてあらためて感動。その経緯は別途記述したいと思っている。

 

八ヶ岳の山小屋は全体的にレベルが高い、というのが私の感想で、南八ヶ岳の山小屋を今年は体験したいと思う。



 

 

 

上高地

先週、上高地を歩いてきた。北アルプスはまだ経験が無く、雰囲気を知って今後の登山の対象とするためにバスターミナルから横尾までを歩いた。

明神池から徳沢を経ての一般的なルートだが、河童橋からの穂高連峰明神岳、そして横尾からの神々しい景色は、それだけでも十分に満足できる工程だ。天気にも恵まれ素晴らしい一日を過ごすことができた。

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河童橋から観る穂高連峰

穂高岳とは穂高明神の御神体であり、上高地の中心は明神池周辺だったらしい。もともとの穂高岳が現在でいう明神岳であるそうで、それが故に穂高岳という山は地図には存在しない。そんなことも今頃になってやっと知ったのだが、確かに下から眺めていると、そこには神が居ても不思議は無いと思ってしまう。

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明神池からの明神岳

バスタ新宿から夜行便のバスで早朝5時頃に上高地バスターミナルに到着した。季節的にピークではないのか、人はそれほど多くない。さすがに北アルプスだけあって、まだまだ寒さを感じる。歩き始めはグローブ着用で、ソフトシェルのジャケットまで着てのスタートとなった。

 

始めてなもので、かなりゆっくりとしたペースとなり、6時にはバスターミナルをスタートしたのに、明神神社に着いたのは8時を過ぎていた。河童橋からの見事な風景に言葉もなく、写真を撮りまくって歩いたらそうなってしまった。

少し急ごうとは思うものの、風景の素晴らしさと、途中で猿の親子を見かけたりとで、なかなか前に進めない。

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穂高だろうか?

 

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猿の親子

 

ペースを上げて徳沢に着いたのは10時、ゆっくり休んで横尾に着いたのは12時近くになっていた。横尾で食事休憩としてスパムを焼いて、お気に入りのスキットルに入ったラガブーリンを味わいながら景色を楽しんだ。

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横尾

 

次回は涸沢までを考えているけれど、このペースだと厳しいかもしれないと思った。横尾山荘で1泊して、翌日はノンビリと涸沢へ、という余裕を持った工程の方が楽しめると思う。

 

16時過ぎの新宿行き最終のバスを予約していたため、帰りはかなりペースを上げて歩いた。上高地散策であれば、徳沢まででも良かったかもしれない。

 

次は横尾泊まりで翌日は涸沢ヒュッテか涸沢小屋に泊まろう。